「点」その1 10の鳥の名前の公園
小金原分譲団地周辺には鳥の名を冠した10の児童公園があります。
北から「つぐみ・つばめ・めじろ・やまばと・すずめ・うぐいす・ぺんぎん・かもめ・はくちょう・ひばり」全てひらがな表記です。
近隣の樹木に集まる鳥もいますが、「ぺんぎん・かもめ・はくちょう」はそうではありませんし、公園で飼育しているわけでもありません。
全て子供がよく知っている、親しみを感じる名前を選んでいます。
ひらがな表記と合わせ、児童・子供本位のネーミングです。
公園名を口にする時の子供の表情が思い描けます。
地域名を冠した公園名が多い現状をみると街(行政)のセンスを感じます。
「点」その2 小金原公園
小金原地区の真ん中、行政施設や商店街に隣接し、小金原分譲団地のお隣にある広さ30,000㎡超の大きな公園です。
グランド・遊戯施設ともに2面づつあり、毎日使用され、賑わいのある公園ですが、驚くべきは樹種と本数の多さ。
少し離れて振り向くと森閑とした巨大な森です。
昭和46年開園当時は、市の公園緑地課の記録では「スダジイ・さくら・ユーカリ・けやき」の4種類が記入されていますが、その他は不明で、現在も把握されていま
せん。
少し興味のある人が見れば、「ヤマモミジ・ニセアカシア・槐・アオキ・ネズミモチ・ムクノキ」などが判別できます。
園芸業者は20種類300本以上あるのではないか?と言います。
低木としてヒラドツツジのオオムラサキツツジと白ツツジがぐるりに植えられています。
面白いことに、公園を挟み団地の反対側にある銀杏並木のイチョウは公園内に一本もありません。
それは公園の樹木の多さに鳥が介在し、銀杏を鳥が啄まず、種が公園に運ばれないことが原因のよう。
樹木の図鑑でもあれば、1日中楽しめることは受け合えます。
「点」その3 ユーカリ交通公園
バスの車内から樹木と交通公園の看板を見た時から気になっていました。違和感。
ユーカリの木をこれほど多数見たことも無ければ、住宅地に静かな交通公園があることも不思議!
まして2つの結びつきは?ユーカリは昭和33年松戸市制15周年記念事業として駅前に5本植えたのが最初。
その後街路樹として植えられたが、1年間に2メートル伸びる成長の速さと大きくなり過ぎる点、落ち葉が多すぎる点などから街路樹に不向きと判断され、交通公園に移植。
いつしか交通公園を森の中のワンダーランドに変えました。
昭和46年には市の木に指定され、オーストラリアのホワイトホース市(現在)との姉妹都市提携もあり、交通公園のキャラクターがコアラになりました。
言うまでもなく、交通公園の開演も昭和46年。子供に交通の知識やルールを覚えてもらうための公園で、蒸気機関車やヘリコプターの実物展示、交通信号や横断歩道もあります。
歩きながら、あるいは自転車で回りながら交通ルールを覚えられるようになっています。
年末年始を除き年中無休で入場無料。
こどもと一緒に一日楽しむこともできます。
小金原の自慢の施設です。
「点」その4 栗ヶ沢テニスコート
団地と道路を隔てたすぐ近くに11面の松戸市最大規模のテニスコートがあります。平日でも11面全てが使用されているほど人気があります。
テニスの日本での始まりは明治維新の文明開化時代、上流階級の社交スポーツ。
その後世界ランク入りする名プレイヤーも何人も出現しますが、何と言っても画期的テニスブームを招いたのがミッチーブーム。
軽井沢テニスコートのシンデレラ物語。
庶民レベルまでテニスとミッチーファッションが広まりました。
平成が幕を閉じようとする現在、皇后の存在と歴史を思い返す人も多いのではないでしょうか?
栗ヶ沢テニスコートは昭和47年開園の栗ヶ沢公園庭球場が公式名称。
小金原一帯の開発と同時期ですが、昭和48年の千葉国体・秋季大会のテニス会場としての使用が直近の目的のよう。
市の思惑はさておき、近隣のテニス愛好家にとって無くてはならない重要スポットです。
「点」その5 超有名スポット・ファイブ
①「戸定邸」
戸定が丘歴史公園にあり、最後の水戸藩主・徳川昭武の住まい。
明治17年建築、平成18年国の重要文化財庭園は千葉県の名勝、公園は日本の歴史公園100選になっています。
②「本土寺」(あじさい寺)
老杉の参道、仁王門、境内の四季折々の木々の表情。
別名あじさい寺ですが花菖蒲も見事で、甲乙つけ難いと思う方も多いはづ。
じつは参道の漬物屋さんとお蕎麦他の飲食店にも人気店があります。
③「東漸寺」
参道の入口から仁王門越しの奥深い佇まいが魅力的な寺この奥行きの深さは参道の幅を狭めてあるのが理由。
樹齢300年を超えると言われる枝垂れ桜、鐘楼他見所も多く、江戸初期に関東十八檀林になった名刹です。
④「21世紀の森と広場」
千駄堀池を中心に、周辺の緑を活かし、パークセンター自然観察舎・博物館・光と風の広場・つどいの広場・森のホール21などがある50.5haの公園です。
2つの広場では季節のイベントが、木もれ陽の森ではバーベキューが楽しめます。
⑤「市立博物館」
『見て・触れて・体全体で感じる』を基本コンセプトにした感動体験型博物館
です。
21世紀の森と広場の中にあります。
旧石器時代から縄文時代、常盤平団地の誕生まで松戸市の3万年の歴史を体感できる野外展示をふくむ総合展示が特徴です。
「点」その6 「梨の王国」
市内には60箇所の観光梨園があり、南部の高塚新田に36箇所小金原近隣の金ケ作・六実・五香に20箇所数えられています。
千葉県は梨の生産高が日本一であり、特に松戸市のある東葛地区はその中心です。また、二十世紀梨が生まれたのも松戸市大橋(現在)で、命名されたのが1898年。住宅地のイメージが強い松戸市、そして小金原近隣は「梨の王国」と言えます。
梨といえば、幸水・豊水・新高・二十世紀が有名で、特に幸水・豊水で67%のシェアを占め、新高・二十世紀を含めると84%までになります。
実は、梨には少なくとも22の品種があり、生産が難しく市場には出回りくいけれど、甘みが強く酸味が少ないなど長所のあるものが開発されています。
「愛宕」は大きさで一番、幸水の2.5倍から4倍の重量です。
甘さでは「秋栄」「南水」「秋月」「かおり」「新甘泉」など。
出荷量が少なく、見かけない、買えないと思われがちですが、小金原のスーパーで「かおり」を購入したことがあります。
珍しさから購入しましたが、その甘く美味しいことは別格です。
翌週買いに行ったときは・店頭から姿を消していました。
「梨の王国」ならではの一夜の夢、僥倖でした。
小金原分譲団地の点と線 筆者紹介
【中澤 保夫】 |